
十和田湖には伝説がある。
八郎太郎物語だ。
しかし、この物語、けっこう最近の話であるらしい。
十和田火山の噴火は約160万年前から始まったらしいが、西暦915年、日本国内では過去2千年間に限ると、日本最大級の大噴火を起こしているのである(西暦915年)。はるかに離れた京都でさえ、噴煙で、太陽が輝きを失い月のようだったと記録されている(「扶桑略記」)ほどだ。十和田の周辺は高温の火砕流や泥流でどれだけの被害が出たのだろうか?
その十和田火山の教訓を忘れないために「八郎太郎物語」は作られ、語り継がれているのかもしれない。
話を戻そうーー。
秋田県の北西、青森県との境に位置する十和田湖。その木は湖畔にどっしりと立っていた。
出会ったとき、すぐわかった。人面木だと。
右目ははっきり見える。
ひょっとして左目は、幼木のおりに近くで倒れた木の枝がぶつかり負傷し、葉っぱの眼帯をかけているのかもしれない。
立派な鼻だ。ピノキオより、よほどしっかりしているぞ・・・
眉間には深い皺を寄せている。
だが、私には何も語りかけてこなかった。
いや、私の姿の反映なのかもしれない。
俺はここに立っているだけで十分なのだ
静かに、湖畔に立っている。
いつまでも幸せであれよと願いながら。
未来永劫に。